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"time blue"レビューその2
クラン・コラ Cran Coille:アイルランド音楽の森 アイリッシュ・ミュージック・メールマガジン2008年1月号 に掲載されました、音楽評論家/翻訳家、大島豊さんのレビューをご紹介。
大島さん、聴いて頂きありがとうございます!
クラン・コラ・ブログは、アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、おもにヨーロッパのルーツ音楽を楽しむメール・マガジン。トラッド好きな方は必見です。
大島さんは、『聴いて学ぶアイルランド音楽』を昨年暮れに発売されました。

●シャナヒー (Japan Celtic n)《TIME BLUE》

大阪のグループ、シャナヒーのセカンド・アルバム。スコットランド、アイルランド、ノルウェイ、スウェーデンなどの伝承曲がレパートリィですが、どの曲も一度完全に体内に消化吸収したうえで、秀逸なアレンジで独自の世界を築いています。
その世界は「地霊」の香気を強く放ちながら、フェアリィの宮廷のような非日常的な時間が流れています。音楽的には対極的ですが、初期クラナドを連想しました。あそこにあるペンタングル流ジャズの要素を古楽に置き換えると相通じるのではないか。
打楽器のセンスがすばらしく、もともとビート感の良いアンサンブルをさらに引き締めているので、シンセサイザーの使用も安易な「おケルト」ムードに堕していません。
洗練と野生、知性と感性のバランスが、どちらもやや前者に寄りながら、緻密に練りぬかれています。あえて琉球の土の香りを完全にぬぐい去ったラストの〈てぃんさぐぬ花〉は、このアルバムを象徴する名演。
リコーダー、フルート、ダブル・ベースのサポートも、グループの性格、意図によく応えています。録音優秀。
by shanablog | 2009-01-16 00:23 | CD情報
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